

企業の動向
新卒採用継続、第二新卒採用など対応分かれる 27卒は母集団形成に注力
2026年卒学生の内々定率は、6月末時点の学情の調査で早くも85.0%に達し、同時期の調査での最高値を更新した。学生の就職活動率は31.2%と前月から14.1ポイント下がり就活を終える学生が増えてきたが、採用活動を継続している企業はまだまだ多い。
ある大手小売企業では、内々定出しは昨年と同数だが、内々定承諾数は減って承諾待ちが多くなる中、追加の母集団形成施策を検討している。同じようにここに来て26年卒採用を強化する動きが見られる一方、新卒を補填するため第二新卒採用を検討する企業も増える傾向にある。不動産関連の中堅企業は、25年卒で新卒採用が目標に届かなかったことから第二新卒採用を初めて実施、一定の成果が出た。今年も新卒採用は同じ状況にあるため、昨年より2カ月前倒しでの第二新卒採用実施を検討中だ。内々定承諾期限を6月末に設定していた企業が多く、ここからは、新卒採用の継続、第二新卒や既卒を含めた20代キャリア採用重視など、企業によって対応が分かれていきそうだ。
27年卒採用については、多くの企業が夏に向けてインターンシップの集客に力を入れているところだ。26年卒採用で初めて5daysのインターンシップを実施した中堅機械メーカーは、内々定出しや内々定承諾数が前年の1.5倍に増え、手応えをつかんだ。27年卒採用ではインターンシップの開催日程を増やして、さらなる母集団形成に注力する方針だという。
早い時期から母集団形成に積極的な企業が増える一方で、学生側も早期の情報収集に意欲的だ。内々定率調査によると、26年卒学生がインターンシップ等に最初に参加した時期は8月が最多。まもなく始まる夏季インターンシップの広報活動の重要性が年々増している。
(フィールドセールス本部 江夏 竜摩)
学生の動向
難関不合格学生が業界広げて再挑戦へ 27卒向けは実践的講座にニーズ
7月に入り、2026年卒学生の間では、内々定を複数保持しながら就職活動を続けるケースが目立ってきた。とくに6月に本命企業の選考に臨んだものの不合格となり、活動を再開する学生が増えている。選考ハードルが高い人気企業や難関企業を志望していた学生の多くは、今後、業界や企業の幅を広げて再チャレンジしていくことが予想される。今までほとんど就職活動に取り組んでこなかった層も、周囲の友人たちの内々定獲得や進路決定を受けてようやく重い腰を上げてきた印象だ。
加えて、公務員試験の1次試験の結果が出始めたことで、公務員志望だった学生が民間企業への進路変更を検討している。大学のキャリアセンターからも「公務員試験と民間就活の両立支援が続いている」との声が多く聞かれるようになってきた。支援現場の対応が複雑化しているようだ。
一方、27年卒の学生に対するキャリア支援は、例年より早い段階から活発化している。複数の大学がこれまで10月以降に実施していた就職ガイダンスを、今年は6月に前倒しして開催。夏休み期間に「模擬グループディスカッション」や「模擬面接」など、実践的な内容の講座を複数回にわたって企画する大学も増えてきた。学生から「話を聞くだけでなく、実際に体験できる機会が欲しい」との声が多く、早期の実践型支援へのニーズにこたえる動きだ。
さらに、28年卒生対象のキャリア支援の動きも秋以降に本格化していくとみられている。大学現場では、学生への「早期啓発」をより意識した対応が求められていくだろう。
(キャリアサポート部 三宅 崇史)
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