企業の動向
大手の早期内々定際立つ 第二新卒採用の導入顕著に
2026年卒学生の内々定率は、学情の12月末時点の調査で36.6%と早くも4割に迫る高率となった。内々定を得た企業の業種は前月に続き「IT ・ソフトウェア・インターネット」が23.0%でトップだったが、前月比-7.3ポイントで内々定出しが多様な業界に広がっている。2位は「情報・調査・コンサルティング」(17.2%)、「スーパー・流通・百貨店」(11.5%)が続く。内々定企業の規模では5000人以上の大企業が42.9%と突出。前年同時期から13.8ポイントの急増ぶりで、採用目標人数が多い大手企業の早期選考・内々定出しへの積極姿勢が際立っている。
終盤を迎えている25年卒採用では、大卒・高卒採用ともに苦戦を強いられる企業が多い。そのため26年卒では新卒採用計画の見直しと並行して、第二新卒採用に力を入れる動きが顕著になってきた。ある製造業の会社は毎年、新卒の大卒採用10人を目標に活動しているが、近年は母集団がめっきり減り、多かった年の半分ほどしかエントリーが集まらなくなった。今後も大卒採用は苦戦するとの予測から本格的に第二新卒採用に着手。大卒5人、第二新卒5人の採用を目指す方向で検討している。学生優位の売り手市場が続く中、新卒一辺倒の採用活動では苦戦を強いられることは目に見えている。今後はいかに第二新卒層を採用できるかが大きなポイントとなると考えられ、同様の動きが広がりそうだ。
早期選考の定着で27年卒の新卒採用も待ったなしの状況にある。大学3年生の6~8月に開く夏季のインターンシップやオープン・カンパニーが母集団形成の主戦場となってきたことから、企業は今年4月からの採用計画策定も迫られている。
(フィールドセールス本部 古本 聡志)
学生の動向
早期選考学生~これから始める学生まで、大学は多様な企画実施
2026年卒採用では、3年生の前期から積極的に活動してきた学生に関しては前倒しでの内々定獲得が進んでいる。大学キャリアセンターへの相談件数は前年同時期より多く、そのほとんどが早期選考対策で、相談枠が満席になるケースもしばしば発生している。対照的にこれから就活を始める学生も一定数おり、進捗の大きな差がキャリアセンターの悩みの種だ。各大学では、それぞれの活動状況に応じた講座や学内セミナーを実施。「早期活動学生、後期以降に活動し始めた学生、1~2月に活動する学生へのそれぞれの企画実施が大変」「最近活動し始めた学生から様々な講座開催の希望があるが、前期に実施済みの企画を後期もしなければならず二度手間」といった声が上がっている。大規模なガイダンスから、インターンシップ等に参加した学生向け振り返りセミナーと参加していない学生向けの活動の仕方セミナーといった少人数支援まで、多様な形式で学生を後押しする取り組みが続く。
早期化の影響を受けて27年卒の学生に対する支援も前倒しで行われている。定期的な低年次向けキャリア支援講座に加え、例年3年生が対象だった学内企業説明会に1~2年生の参加を促す例も多く、夏のインターンシップ等に向けた業界研究や就活準備を促す内容も少しずつだが見受けられる状況だ。
25年卒学生については、まだ内定がない学生や進路を決め切れていない学生に対してフォローや状況確認を根気強く続けている。12月以降は卒業論文や課題の提出が一段落して就活を始める学生が少数ながらいるため、学生からの相談が一時的に増加する大学もある。
(キャリアサポート部 斎藤 寛武)
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