企業の動向
中堅・中小にも早期選考広がる 低学年イベントに力点移す企業も
2026年卒採用では、インターンシップやオープン・カンパニーがいっそう盛んになり、次のステップの「早期選考」や「早期内々定」という言葉が飛び交うようになった。以前は外資系企業や一部業界で行われているイメージが強かったが、25年卒採用から認められた専門活用型インターンシップを活用した選考時期の前倒しに影響され、早期選考が様々な業界に広がり、中堅・中小企業でも実施され始めている。これを裏付けるのが内々定率の上昇だ。学情が実施した26年卒生対象の1回目の内々定率調査によると、11月末段階で前年同月より5.1ポイント高い16.9%で、同時期の調査で過去最高値を記録。実際、ある小売り・流通系の中堅企業では、既に採用目標人数の30%ほどの内々定を出し、承諾者も出ているという。
そんな中、早くも27年卒及び28卒に力点を移す企業もある。学情の26年卒生アンケートで、インターンシップや就職活動準備に関する情報収集を始めた時期について尋ねたところ、「大学1年」「2年」との回答が計25.4%となり、4人に1人が低学年のうちから就職活動に向けた準備を始めていたことがわかった。3年生向けのイベントより2年生を対象としたキャリアデザインイベントへの参加を優先する企業も出始めた。
一方、いよいよ終盤の25年卒採用では苦戦が目立ち、当初の採用目標数が確保できず、なお継続している企業も多い。大手グループ会社も例外ではなく、新卒採用苦戦による「第二新卒」採用への取り組みも始まっている。
今後は、新卒採用に加え、1~2年生を対象とした「キャリア教育」、20代の若手社会人を対象とした「第二新卒採用」を組み合わせた新たな取り組みや工夫が必要不可欠になるだろう。
(フィールドセールス本部 間宮 佑斗)
学生の動向
キャリアセンターへの内々定報告・内々定承諾の相談2~3割増
2025年卒予定の学生の内定状況は、各大学によって若干の違いがあるものの、おおむね80%ほどに達している。キャリアセンターでは、内定がまだの学生や状況を把握できていない学生のフォローに力を入れている。多くの大学で、連絡が取れない学生に対して個別の電話連絡をしたり、ゼミの担当教授を通じて確認を行ったりするなど、様々な工夫を凝らしている。
26年卒予定学生からのキャリアセンターへの相談内容は、昨年の同時期とは様変わりしている。昨年はエントリーシートの作成や就活準備に関する相談が多かったのに対し、今年は面接対策や筆記試験対策など、早期選考に向けた相談がほとんど。昨年は学生が集まりにくかった模擬面接も、今年は枠が埋まるほどの人気となっている。また、内々定の報告や内々定承諾の相談も昨年同時期に比べて2~3割増加している。ある大学を訪問した企業によると、昨年の同時期の倍近くの内々定を出しているとのこと。インターンシップやオープン・カンパニーからの年内早期選考や内々定出しを急ぐ企業の動きに合わせて、学生も懸命に動いている。一方で、留学や部活動などの理由で全く動けていない学生も多く、学生間の活動量の差が大きく開いており、二極化はさらに深刻化している。
このような状況の中、27年卒予定の2年生を対象とした早期の就職ガイダンスを1月に開始する大学も出てきた。3年生のインターンシップ等の準備に向けて、キャリアセンターに早くから相談に来る2年生も増えている。
(キャリアサポート部 江村 朋裕)
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