
企業の動向
理系は終盤戦だが文系はなお山場 情報系採用を文系学生に広げる企業も
2027年卒学生の内々定率は、学情の調査では7月末時点で84.8%まで伸びたが、5カ月連続で前年同時期を下回った。就職活動率は文理の差が大きい。理系学生は18.3%と2割を切り前年同時期も下回る一方、文系学生は前月から大きく下がったものの、前年同時期より6.0ポイントも高い32.6%で依然として3人に1人が就活継続中。理系の採用がおおむね一段落する一方、文系学生の採用はなお山場が続いている。
こうした動向から、多くの企業の採用活動は、早期化に加え長期化も同時に進行していることがうかがえる。内々定者フォローの強化に加え、企業によっては追加の母集団形成が必要な状況だ。
ある大手ITのグループ企業では、夏のオープン・カンパニーを中心に母集団形成を行ったものの、本選考の開始時期を従来通り3月以降とした結果、選考移行率が2026年卒採用から半減してしまったという。毎年30人ほどの採用だが、内々定承諾もこの時期では過去最低の15人にとどまる。同社では内々定者フォローを継続しながら、情報系学生中心の採用から文系学生に対象を広げている。これまで実施してこなかった「第二新卒採用」の導入も計画中だ。
この反省から、2028年卒に向けては、オープン・カンパニーを本格的なインターンシップに切り替えて実施しており、9月から随時選考を始めるなど大幅なスケジュール変更を予定。さらに先を見越して、2029年卒採用に向けても、年明けごろから低学年へのアプローチ施策を模索しているという。
採用の早期化・長期化が進む中、各企業には自社の採用計画や体制に応じた、より戦略的な採用活動が求められている。
(フィールドセールス本部 坂本 結友)
学生の動向
外国人留学生支援が新たな課題に 28卒学生には進捗度別の支援が必要
大学では、2027年卒学生対象の学内でのガイダンスや講座は限られる時期となり、個別の就職相談が中心となっている。大学によっては昨年同時期と比べて内々定率がやや低いとの声が聞かれ、「内々定を保有しながら就職先を決めきれずに活動を続け、進路報告に来ていない学生が一定数いるのでは」と推測する大学もある。また、コロナ禍後に入学が急増した「外国人留学生の就職支援」という新たな課題が浮上。学情へも、留学生を採用している企業の求人について大学から問い合わせや相談が寄せられている。大学側は支援の在り方を模索している。
2028年卒学生向けの学内の就職準備講座は、前期試験の時期にあたる7月以降、減少傾向にある。8月の夏季休暇に入り、学生はインターンシップ等の選考結果待ちや参加の段階で、キャリアセンターへの相談件数も5~6月に比べて落ち着いている。ただ、模擬面接や模擬グループディスカッションなど実践型講座へのニーズは依然高く、「インターンシップの日程が重複しているが応募して良いか」「5daysのインターンシップではなく、1dayのオープン・カンパニーには参加する意味があるのか」といった相談も寄せられている。
各大学では後期に向けたガイダンスや就職支援施策の検討が始まった。しかし、早期から活動する学生の支援と、まだ就職活動を始めていない学生支援の両立に悩む大学が少なくない。就活の早期化で「後期の講座に年々学生が集まらなくなっている」ことも秋に向けて各校共通の悩みだ。学生の就職活動が多様化する中、意欲や進捗度ごとに異なる支援が求められ、大学は難しい対応を迫られている。
(キャリアサポート部 巽 浩一)
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