
企業の動向
27卒フォロー強化、28卒はインターン参加者志望度向上、29卒は企業認知策
2027年卒採用は10月の内定式シーズンを迎え、多くの企業で採用活動が一区切りとなる中、採用目標の達成に向けて秋採用や通年採用を継続する企業もみられる。この段階でも複数社を比較しながら進路を決定する学生は依然として多く、企業にとっては内定辞退への対応が重要な課題となっている。
15人採用予定の中堅メーカーでは、早期選考を実施し、例年より早い2~3月から約30人に内々定を出したが、半数以上が辞退。春から夏にかけて若手社員との交流会や個別面談などを強化し、入社後の働くイメージを具体化するフォロー施策に力を入れた結果、ようやく落ち着いた状況だ。学生は仕事内容だけでなく、職場の雰囲気や社員との相性も重視しており、リアルな情報提供の重要性が高まっている。
一方、2028年卒採用に向けては、秋冬インターンシップやオープン・カンパニーの募集や実施が本格化している。多くの企業が夏季インターン等の参加者との接点を継続しながら、イベントや面談を通じて志望度の形成を図っている。夏インターン等からの早期選考を始めた企業も多い。学情の2027年卒調査では、企業が最初に面接選考を実施した時期は「3年生の10月」の13.4%が最も多かった。年内の内々定出しを目指す企業の選考が本番を迎える。さらに、2029年卒以降の低学年向けイベントや仕事体験プログラムを強化する企業も増えている。
早期化が進む採用市場で重要なのは単に早く接触することではなく、継続的な関係構築だ。2027年卒では内定承諾までのフォロー強化、2028年卒ではインターン等参加者の志望度向上、2029年卒では低学年からの認知形成が採用成果を左右するポイントとなっている。
(フィールドセールス本部 江夏 竜摩)
学生の動向
28卒以降の「動かない中間層」へのアプローチ、大学共通の課題に
2027年卒学生の内定獲得の進捗は前年に比べやや鈍くなっている。ただ、なお活動中の学生は一定数いる中、学内イベント参加や就職相談窓口への相談件数は例年より少なく、状況をつかみきれていない大学が多い。あるキャリアセンター職員は「窓口に来ない学生ほど状況が見えないので、ゼミの先生を通じて声をかけるしかない」と話す。一方で内定辞退の相談件数は9月後半から増加傾向にあり、複数内定を得て決められない学生も多いようだ。
2028年卒学生は、夏季インターンシップ等への参加が前年並みからやや多い程度で、9月のイベント参加も前年並みだった。しかし後期の学内ガイダンス参加者数は、前年比でも前期比でも減っている。とくに、春から早めに動いた学生は早期選考に目が向くためか、秋の学内行事に参加しない傾向が強いという。
ある私立大学では、オンラインの集団模擬面接に約650人が申し込み、延べ約400人と多くの学生が参加した。キャリアセンターによると、参加者の中心は「意欲の高さ」で学生を2:6:2に分けた場合の上位層。担当職員は「申し込むのは放っておいても動く学生が中心で、一番来てほしい中間層に届いていない」と課題をあげる。12月の学内行事に向けては、この層に届く告知方法を検討している。
2029年卒以降の低学年は動き出しが早まっている。2年生向けのキャリア授業やキャリア支援プログラムを拡充する大学が多く、3年生の夏を待たずに仕事や業界に触れる機会が増えてきた。ここでも、参加するのは意識の高い層に偏り気味。「動く学生」と「動かない学生」の差が学年を問わず広がる中、中間層をいかに動かすかが大学共通の課題となっている。
(キャリアサポート部 三宅 崇史)
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