
企業の動向
27卒は内々定承諾までのフォロー、28~29卒は早期接点がポイントに
2027年卒採用は山場を越えた状況だが、目標数の充足に向けて採用活動を続ける企業も少なくない。採用市場は早期化が一段と進むものの、学生の就職活動期間は短縮されていない。内々定獲得後も複数企業を比較・検討して進路を決める傾向が強まっており、企業は新たな対応に追われている。
東海エリアの自動車ディーラーは、前年より選考開始時期を前倒ししたが、内定辞退も例年以上に早い段階から発生した。同様の傾向は他企業でも見受けられ、早期接触に加えて、学生の志望度を高めるための若手社員との座談会や個別面談、内定者懇親会などを強化する動きが広がっている。
一方、2028~29年卒では、低学年から業界・企業研究を進める学生が増えている。あるビルメンテナンス企業では、昨夏から今冬にかけて大学2年生向けのインターンシップを実施したところ、参加学生の多くが3年生進級後の早期選考へ移行したという。早い段階で企業理解を深めてもらう試みが、その後のセミナーや選考参加につながった。同社の採用担当者は「単なる会社説明ではなく、『将来どんな社会人になりたいか』『どんな仕事に挑戦したいか』を考えてもらい、社員と交流する時間も設けた。働くことへの解像度が上がり、3年生になってからも継続して接点を持ってくれる学生が増えた」と語る。
早期化が進む中、選考スピードだけでなく学生との継続的な関係構築の重要度が増している。2027年卒では内定承諾までのフォロー強化、2028~29年卒では低学年層との早期接点が成果を左右するポイントになる。採用活動を「選考」だけでなく「企業理解を深めるプロセス」として設計し、段階的に志望度を高める仕組みづくりが求められる。
(フィールドセールス本部 横井 佑卯)
学生の動向
「公務員→民間」進路変更への対応も 2年生からは「すでに焦り」の声
2027年卒学生の就職活動は、夏休み中とあって落ち着いた状況となっている。内々定率については60~80%程度と把握している大学が多く、9月中旬からの後期授業開始以降、進路状況の確認を進めていく予定だ。ある大学のキャリアセンタースタッフは「進路未決定の学生に対しては、年内の内定獲得を目標に支援をさらに進めていきたい」と話す。公務員試験の結果も順次発表されており、今後は民間企業への進路変更を検討する学生が出てくることも想定し、個々の状況に応じた対応が必要になる時期だ。
2028年卒学生は、夏休み期間中のインターンシップ参加を中心に活動中。大学では、今の3年生は参加企業をある程度絞り込む傾向が強いものの、秋以降の早期選考を見据えて積極的に活動する学生は3社以上のインターンシップやオープン・カンパニーに参加しているとみている。一方で、インターンシップに参加していない学生も一定数みられる。ただ、夏休み期間中に実施した学情主催の業界研究セミナーでは、積極的に企業ブースを訪問する学生の姿が目立った。
こうした夏休み中のイベントには、2029年卒予定の2年生の参加が増え始めている。主に3年生向けに実施しているが、全参加者の3割以上が2年生というセミナーも。参加した2年生の1人は、「すでに就職活動に焦りを感じている」と話していた。一部のキャリアセンターからは、「SNSなどから得た一部の情報をもとに、早期から就職活動を始めている2年生もみられるため、適切な指導や情報提供を行う必要がある」との声も聞かれるようになった。
(キャリアサポート部 江村 朋裕)
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