
企業の動向
早期インターン→早期選考が成功のカギに 28卒は8月までの接点数
3月1日の採用広報解禁から1カ月が過ぎ、2027年卒の採用活動はすでに中盤から終盤戦の様相だ。企業は競うように内々定を出しているが、内々定辞退も増え、「懇親会」「先輩社員との面談」「人事担当者との面談」を中心に前年以上に辞退対策に注力する企業が多くなってきた。
そんな中でも、前年の1.5倍のハイペースで内々定出しを進め、内々定承諾率1.2倍、辞退はほとんどなし――という大手IT企業がある。26年卒対象では3年生の9月に実施したインターンシップを27年卒は8月に、早期選考を11月から10月、内々定出しを1~2月から12月と、それぞれほぼ1カ月前倒しした効果が出た。一方、インターンシップ期の採用活動を十分に行えなかった大手ホテル企業では、2年連続で母集団が減少した。目標採用数の達成が困難になり、新卒の補填策として第二新卒採用を新たに計画している。20代を対象に8月頃から広報を始める予定だ。インターンシップ等を早期に実施した企業ほど多くの学生と接点を持ち、「母集団形成→深い企業理解→早期選考で内々定数確保→辞退減」の好循環となっているようだ。インターンシップの早期実施が、新卒採用成功への必須の要素になりつつある。
28年卒採用はどうか。学情の調査では、「3年生のうちに就職活動を終えたい」と考える28年卒生が54.9%を占めた。実際、27年卒向けの合同企業セミナーに28年卒以降の学生が参加する動きが目立ち、4月に学情が開催した28年卒向けイベントの参加者数は前年同時期の2倍に。27年卒の選考開始時期が3年生の10月にピークを迎えたことを踏まえると、8月までにどれだけ学生と接点を持てるかがその後の採用成果を大きく左右するのは間違いない。
(フィールドセールス本部 中本 壱成)
学生の動向
内々定後も活動続ける27卒生 28卒はインターン対策を前期に集中開催
2027年卒学生の4月末時点の内々定率(学情調べ)は、早期選考が一気に進んだ前年同時期より2.2ポイント低いものの72.7%と高率を維持している。一方で、前年のこの時期は就活を続ける学生がほぼ半数に落ち込んでいたが、今年は前年より8.0ポイントも高く6割近い。内々定を得ても就活を続ける学生が多いのが特徴だ。
いずれの大学でもキャリアセンターへの相談は比較的多い状況が続く。エントリーシートや面接など選考に関することに加え、内々定承諾についての相談が増えてきた。4年生向けのガイダンスや講座は急減し、個別相談を中心とした支援にシフトする傾向がみられる。5~6月頃に4年生を対象とした学内合同企業説明会を予定している大学も一部ある。
28年卒学生については、各大学で就活準備のスタートガイダンスが本格化。主に提供されるのは、インターンシップやオープン・カンパニーの基本概要やスケジュールといった情報だ。大学によって差はあるものの参加状況はおおむね前年並みで推移している。ただ、その後に実施するテーマ別ガイダンス(自己分析、ES対策等)は開催回数を減らす大学が多い。後期のガイダンスへの参加人数が年々減少しているためだ。
背景にあるのは、インターンシップ等の選考準備として前期の開催を望む学生のニーズの高まりだ。大学によっては、後期の開催数を減らして前期に集中させる動きも見受けられる。後期のガイダンスを減らして、その分、少人数制の実践型講座(模擬面接、模擬グループディスカッション等)を増やす大学も。インターンシップの意識付け、基本知識の習得、練習機会の提供……など、インターンシップ向けの準備にキャリアセンターは注力している。
(キャリアサポート部 巽 浩一)
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