キャリアセンター訪問

地域社会に貢献し、
未来を創造しうる「学び、究め、貢献する」人材の輩出を目指す。

東海国立大学機構 岐阜大学 教育推進・学生支援機構 特任准教授 学術博士 白村直也さん
岐阜大学
岐阜大学は1949(昭和24)年に岐阜師範学校や岐阜高等農林学校等の教育機関が変遷・統合し、学芸学部と農学部で設立されました。その後移管合併を経て工学部と医学部を設置、2004(平成16)年に国立大学法人岐阜大学となり、さらに2020(令和2)年に名古屋大学と共に東海国立大学機構を設立、地域への貢献力と国際競争力を同時に伸ばすという新たな国立大学のモデルとなることを目指しています。
社会を牽引し、未来を創造しうる「学び、究め、貢献する」人材の輩出を使命としている同校は、基盤的能力(「考える力」「伝える力」「進める力」)を醸成し、「豊かな人間性」の形成を促進するための教育・研究活動を推進しています。主に低年次の学生を対象とした「全学共通教育」では、大学生活のみならず生涯にわたる自らの学習の基盤となる教養を身につけるため、12に分類された多彩な科目から履修することができます。ここでは岐阜県の経済、社会、文化について学び、岐阜県での就職や将来設計について考えるきっかけづくりとなる「岐阜学」といったユニークな科目を2022(令和4)年度に新設する等、特に岐阜で実践的に活躍し、リーダーシップを発揮できる「次世代地域リーダー」の育成に力を注いでおり、大学、自治体、そして地元企業が協力しながら、岐阜の地域課題の解決に取り組むPBL型授業等を通じて学生の主体的な学びを支援しています。
今回は「全学共通教育」科目のひとつである「プロジェクト型インターンシップ」の担当教員であり、かつ同校のキャリア・就職支援センター副センタ―長として、学生のキャリア形成支援に携わっておられる白村特任准教授に、同校のキャリア・就職支援の特徴や、今後の活動のご方針等についてお話をお聞きしました。

岐阜の社会課題の解決に取り組む人材を育成する
「次世代地域リーダー育成プログラム」を展開。

――2020(令和2)年に貴校と名古屋大学による新たな大学モデルである「東海国立大学機構」が設立され、大きな話題を集めました。
製造業を中心に、世界有数の経済圏を誇る東海地域にふさわしい新たな大学モデル、「国際的な競争力向上と地域創生への貢献を両輪とした発展」をスタートアップビジョンに掲げ、地域貢献を使命とする岐阜大学と世界の研究大学を目指す名古屋大学がそれぞれの力を共有する場になるべく、本機構は設立されました。現在社会において、地域は世界と密接につながっており、地域に貢献するには国際競争力が必要です。特に岐阜大学では地域に根差した国際化を念頭に行う教育・研究活動による「グローカル化」の推進、例えば外国人留学生の受け入れ体制の整備を図り、学生・教職員との交流を推進することでキャンパスの国際化を進めながら、岐阜を通じて広く世界に目を向けながら、岐阜の社会課題をどう解決していくか、それに対して自分たちは何ができるのかといった視点を学生が常に意識できるような教育に注力しています。
――岐阜の社会課題の解決に取り組む人材を育成すべく、貴校では2015(平成27)年度より「次世代地域リーダー育成プログラム」を展開しておられます。
「次世代地域リーダー育成プログラム」は、大学と地域の橋渡しの役割を担う部局である「地域協学センター」を中心に推進され、「岐阜を知る」「岐阜の課題を見つける」「岐阜の課題解決に向けて行動する」の3つの学修目標に向けて、「進める力(自立的行動力)」「伝える力(コミュニケーション能力)」「考える力(総合的判断力)」を身につけるとともに、地域の現状の把握及び地域の課題解決に貢献できる知識・理解・意欲・能力を、地域社会を活動の場とし、実践的に修得することを目指しています。学生は「地域リーダーコース」や「産業リーダーコース」等、5つのコースでそれぞれに用意された科目や協働活動等を修了し、レポート・面接等の審査に合格することで、「ぎふ次世代地域リーダー」の称号が授与されます。このプログラムを通じて、多くの学生が大学、自治体、そして地元企業との協働による現場での実践を通じて地域を学び、「勇気をもってともに未来を作る」能力を身につけることで、国際社会と地域共創に貢献できる人材になることを期待しています。

有志による学生が自ら企画・運営し、約200社が参加する学内業界研究セミナーを開催。

――そうした人材の輩出をより加速化すべく、2022(令和4)年度から新たに「岐阜学」という科目群を設置しています。
本学では主に低年次の学生を対象に、大学生活のみならず生涯にわたる自らの学習の基盤となる教養を身につけるために「全学共通科目」を開設しており、12の科目群を用意しているのですが、そのひとつとして岐阜県の経済、社会、文化について学び、岐阜県での就職や将来設計について考えるきっかけづくりとなる「岐阜学」を新たに設置しました。本学は愛知県出身者が約6割を占める等、他県出身者が多く、そうした学生の多くが岐阜の良さや魅力、また岐阜が抱えている課題や問題点についてあまり認識できておりません。先ほどご紹介した「ぎふ次世代地域リーダー」に限らず、地域に根ざし、地域にとけこむ大学を実現するためには、まず学生、そして我々教職員も岐阜のことをより深く理解することが不可欠です。「岐阜学」を通じて岐阜のリアルを深く知ってもらうことで、常に問題意識を持ち、課題解決に向けて主体的に考え、行動することができる、本学の目指す「学び、究め、貢献する」人材を育成していきたいと考えています。
――先生の授業も、座学だけでなく実際に学生が企業と接点を持つ機会を多く作るといった、主体的に考え、行動することに重きを置いた内容だそうですね。
私が担当しているキャリア形成科目では、例えば働き方改革について単に知識を身につけるだけでなく、実際にどのような形で働き方改革が企業に浸透しているのかを、学生が電話やメール等で企業からヒアリングを行うといった活動を行っています。特に低年次の学生は企業の方とコミュニケーションをとった経験に乏しく、また学生にとって電話を掛けるという行為は相当な勇気を必要とする、かなりハードルの高い行為です。しかし早くから慣れさせることで恐怖心を解消することができますし、また言葉遣いやメールの書き方といった、社会人として最低限必要な素養を身につける必要性を感じる、良いきっかけになればと考えています。
――多くの大学がキャリアセンター・就職課主導で実施する学内合同企業説明会も、貴校では学生が主体となって開催する会があるとうかがっております。
例年12月に本学内で、主に学部3年生・院1年生を対象に開催している「学生企業展 業界研究セミナー」は、有志で集まった約10名の学生が自ら企画・運営しています。本学学生のニーズに合った業界研究セミナーとすべく、岐阜県下を中心に、東海地方に拠点を有する企業に対して学生が直接お声を掛けさせていただいており、昨年度実績では約200社参加という、かなりの規模で開催しています。参加日程の調整やブースの手配、来場者向け冊子の作成といった準備作業も全て学生の手で行っており、かなりの頻度で企業の方とやり取りすることになりますので、学生にとっては「社会人リテラシー」の向上につながることはもちろん、就活対策の絶好の機会になっているようです。

分断された「タテ・ヨコのつながり」を取り戻すため、様々な取り組みに着手。

――新型コロナウイルスの感染拡大は貴校のキャリア・就職支援にも大きく影響を及ぼしたと思うのですが、コロナ前と比べて変化した点をお教えください。
一番の変化は、学生にとっての「タテ・ヨコのつながり」が分断されてしまったではないでしょうか。これまで当たり前のように大学に登校して、友人や教職員とコミュニケーションをとっていたのが、いきなりそれがオンラインになり、人的なつながりがかなり希薄になっています。そのため本学ではまず、低年次向けに開講している全学共通教育「キャリア形成科目」を、高年次の学生にも受講してもらえるようにいたしました。特に現3年生は学生生活の全てをコロナ禍で過ごしてきた世代になりますので、大学を挙げたより一層のフォロー、ケア体制が必要だと認識しています。
また就活のオンライン化による学生の負担を軽減すべく、キャリア・就職支援センターの環境整備も急務だと考えています。安定したネット環境を提供することはもちろん、個室の用意や、オンラインでの説明会・面接に参加するための機材を揃えるといったハード面、そして対面・オンラインのいずれにも対応できる選考対策・アドバイスといったソフト面の両面を充実させ、より多くの学生の就活をしっかりと支えていきたいと考えています。
――「タテのつながり」をつくるためにも、新たな取り組みを行ったとお聞きしています。
2022年度から全学共通教育に新たに「先輩社会人に学ぶー実りある学生生活を送るために」という卒業生のインタビュー動画を視聴するオンデマンド型授業を開設しました。学生時代の過ごし方や就職活動の進め方、そして社会人として働く中で経験した「しくじり体験」とそこから得た教訓を、様々な業界で活躍する卒業生1人1人にお話し頂くものです(動画本数100本)。学生は自分の興味や関心に従って10本を選び視聴します。学生には、卒業生の経験を踏まえた上で自らの学生生活を主体的に考え、切り拓いていく力を養っていってもらいたいと思いますし、何より卒業生との繋がりを大切にしていきたいと考えております。 
先ほど申し上げた分断を取り戻すには一朝一夕では難しいとは思うのですが、少しずつでもこうした機会を用意することで、学生が充実した学生生活を過ごせるよう、そしてキャリア・就職観を主体的に考えられるよう、支援していきたいと思います。
――では最後にこの記事をお読みの人事・採用担当者に向けたメッセージをお願いします。
人事ご担当者の皆様には日頃から本学及び本学学生に対して多大なるご支援をいただき、厚く御礼申し上げます。コロナ禍の中、本学の学生たちは様々な制限を受け、学業はもちろんのこと、サークル、アルバイト、ボランティア等の課外活動を思う存分力を発揮することが出来ず、時には厳しい決断をする時もありました。そんな中でも、くじけず、凹まず、創意工夫を行い、自分たちでできること、仲間を思いやる気持ちを忘れず乗り越えて参りました。本学は真面目で努力家の学生が多いですが、現在も、自分が目指す理想の就職先に辿り着くために、就活に奮闘する学生が頑張っています。本学のスローガンである基盤的能力(「考える力」「伝える力」「進める力」)の醸成をもって「豊かな人間性」を備えた人材を育成すべく、全教職員が一体となって努めておりますので、ぜひこれからも本学及び本学学生にご期待をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

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