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学情レポート 2021.01

企業の動向・学生の動向 【2021年1月15日号】

企業の動向・学生の動向

■企業の動向

 2022年卒採用について、訪問・実践型のインターンシップを実施する企業も少なくないが、新型コロナウイルスによる感染拡大に終わりが見えない中、オンラインでの学生接触が広がりを見せている。対面型と比較して制約はあるが、業界理解に繋がるワークを取り入れるなど工夫を凝らしながらの取り組みが続いている。外食業界のある企業では、夏から高頻度でWeb形式のワークショップを行なったことで、既に昨年度の3月までに接触した学生数を12月段階で超える見込みだという。

 企業の動きはインターンシップに留まらず、水面下で選考に臨む動きも出てきている。弊社が11月下旬に調査した2022年卒学生の内々定率は4.0%に上る。内々定先の業種の最多は「情報・調査・コンサルティング」で、「IT・ソフトウェア」がそれに次ぐ。例年この2業種は他業界に先駆け内々定出しを行う傾向が見られるが、この動きが一段と早まった印象だ。また、「電気機器・精密機器」「建設・住宅」といった業種での内々定出しも目立つ。理系に絞った内々定率は5.5%であり、特にこうした業種で理系学生へのアプローチが進行しているようだ。

 ただ多くの企業は採用広報解禁前の足固めをしている段階だ。ここにきて事前収録したセミナー動画を刷新したいといったニーズが増えている。今後も学生と直接会えない場面を想定し、オンライン採用ツールをいかに強化するかが各社の課題だ。2年前から動画による採用活動に着手してきたある中堅ソフトウェア企業では、採用効率が大幅改善され、採用活動にかける時間が40%以上短縮できたという。ただ「オンライン採用の普及により、今後はいかに他社と差別化するかがカギ」と話す。環境に合わせた採用手法の変化がいっそう求められそうだ。

(柳 亮太)

■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 2021年卒学生の内定率は、昨年同時期比5~10ポイント減のまま推移しており、上昇の兆しがなかなか見られない。要因としては求人自体が減少する一方、学生も志望業界や職種へのこだわりが強く、受験したい企業に巡り合いにくいこと。また、コロナ禍で就職活動を中断した学生が活動再開に踏み出せないことなどが挙げられる。各大学は未内定者の把握と対策に注力しており、大学に寄せられた求人に対して選考に参加するよう呼び掛けている。

 一方、2022年卒学生は、コロナ禍により就職活動の難易度が高まりそうな中でも動きが鈍い印象である。採用広報解禁日も徐々に近づいてきているが、各大学が開催している就職ガイダンスや企業を招いた業界研究セミナーの参加状況は低調だ。理由は様々ある。まず、オンライン授業の増加によりレポートなどの課題が増え、それに追われていること。また、学生同士で直接会う機会が減り、友人と誘い合ってガイダンスに参加するというきっかけを作りにくくなったこと。それに付随して、学生間で互いの就職活動状況を共有する機会が取れないことなどが挙げられる。「今の自分の就職活動の進捗がどの程度なのか分からない」と不安に感じる学生が特に今年は多い印象だ。このように、学生生活のオンライン化により、例年であれば受けていた「外からの刺激」の極端な減少が、動きを鈍らせている要因と言えるだろう。一方で、11月28日(土)に京都で開催された弊社主催のインターンシップイベントには昨年同時期比1.2倍の学生が参加。4割弱がこうしたイベント初参加であり、今まで動いていなかった層の動き出しも見られるようになってきた。

(松井 健悟)

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