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学情レポート【COMPASS】2015.01

勝機を見出せ!
中小企業が2016年卒採用を勝ち抜くには

前年までは採用広報解禁日であった12月1日が過ぎ、そこから3ヶ月後の3月1日よりスタートとなる2016年卒採用。弊社が企業・団体の採用担当者を対象に調査・集計した「採用状況アンケート」では、この採用スケジュール繰り下げにどちらかと言えば賛同できないという声が多く、その理由として「採用活動期間が短縮化されることで他社とのバッティングの増加が予測されるため」(65.6%)がそれ以外の理由に大差をつけ1位となった。特に中堅・中小企業においては、例年大手企業の選考が一段落してから動き出すところも多いが、2016年卒採用においてはスケジュールの短縮化、過密化により、悠長に構えてはいられず、他社とのバッティングを危惧していることがうかがえる。各社の採用意欲が例年にも増して高まった2015年卒採用において、今なお採用予定数に達せず採用活動を続ける中小企業も多く、そうした企業にとってはよりいっそうの危機感を感じざるを得ない状況と言えよう。

スケジュール繰り下げに賛同できない理由(複数回答)

出所:学情「採用状況アンケート(2014年6月調査)」

一見すれば大手企業と比べ中小企業の不利な状況が際立っている。しかし学生の声からは別の側面が見えてくる。11月16日(日)に東京・名古屋・大阪の3都市で開催された弊社主催のキャリアイベント「あさがくナビの仕事フォーラムWINTER~業界研究&インターンシップ~」。このイベントへの参加学生に対し行ったアンケート調査で、2016年卒学生だけに「3月1日の就活本番までにどのような就活準備プログラムに参加したいか」を聞いたところ、「中堅・中小企業が参加する業界・仕事研究セミナー」が53.4%と半数を超える結果となった。「業界を代表する大手企業が参加する業界・仕事研究セミナー」(64.2%)と比較すれば10ポイント程度下回るものの、それでも2人に1人以上が中小企業と接点を持ち、企業理解を深めたいと考えていることが見て取れる。機会があれば中小企業の話を聞きたいと考える学生は実は多いのだ。

3月の就活本番までに参加したいプログラムは?(複数回答)

出所:学情「あさがくナビの仕事フォーラムWINTER 学生アンケート(2014年11月調査)」

しかし学生からは「中小企業をどう探せばいいか分からない」という声をよく耳にする。大学でも「中小企業の探し方」をテーマに掲げた就職ガイダンスを実施しているところもある。新聞の中小企業欄や大学に届く求人票、中小企業家同友会の情報を提供したり、就活サイトで従業員数の絞り込みを掛けた検索方法を伝えたりと、様々な方法が伝授されている。ただそうして見つかった中小企業の中から自分に合いそうな企業、自分の特長を活かせそうな企業を選び出す段になって決め手が分からないという学生も多いだろう。

では選ばれる1社になるにはどうしたらいいのか。ただ学生が来てくれるのを待っていても仕方がない。企業側から学生に対しアプローチしていくこと、これが「学生が中小企業を理解する」上での一つの解決の糸口となろう。そのひとつの事例として、弊社では「輝くシゴト発見セミナー(※)」を実施。次ページでは埼玉県の獨協大学で行われた様子をレポートする。

※「輝くシゴト発見セミナー」は全国中小企業団体中央会補助事業「平成26年度地域中小企業の人材確保・定着支援事業」の関東及び近畿の実施事業者として株式会社学情が採択を受け、実施しています。

【開催報告】 輝くシゴト発見セミナーin獨協大学

12月11日(木)に開催された「輝くシゴト発見セミナーin獨協大学」。2部構成のセミナーで、第1部は中小企業の経営者による講演、第2部は中小企業の若手社会人と学生が車座になって行う交流会だ。第1部では埼玉県さいたま市に本社を置き、東京モーターショーといった大規模イベントのブースデザインから演劇の舞台美術など、空間デザインを幅広く手掛ける株式会社エクス・アドメディアの代表取締役社長 中村俊宏氏が講演を行った。空間デザインを手掛けていく中では、こだわりの強い顧客が多く「周りと同じようなものにはしたくない、こんな空間を作ってほしい」と無理難題が飛ぶことも珍しくないと語る中村社長。ただし、そうした顧客の注文にどう応えるかは社員一人一人にまずは任せているという。「自分で考えてやってみる、自分の力でやるからこそ色々なものが創れるようになり社員が成長していく。こうした考えを『古い』と切り捨てる会社もあるが、マニュアルに沿って一から教えるのではなく、自分でやることが仕事の本質だ」。同社の信念ともいえる考えに触れ、講演を聞く学生も真剣そのものであった。またこの講演のテーマは「社長に学ぶ!シゴトの楽しさとは?」であるが、この問いに対する中村社長の回答は「緊張から解き放たれたとき」であった。「仕事が大変であればあるほど『本当にうまくいくだろうか』と緊張感が増していく。しかしその仕事を終えたとき、やり遂げたという満ち足りた気持ちを持つことができる。だから緊張感の強い仕事ほど、辛いけど楽しさも大きい。これは社長という立場であっても現場に接することの多い中小企業ならではのことだと思う」と語られた。

第2部ではエクス・アドメディアに加え、電気工事材料や工事用照明器具などの電設資材を取り扱う新明電材株式会社と、製品カタログやラベルなど商業印刷を手掛ける株式会社大東の若手社員も加わり、「若手社員に学ぶ!シゴトのやりがいとは?」をテーマに質疑応答が行われた。「なぜこの会社を選んだのか」「御社での営業の仕事はどのようなものか」「最初から中小企業に狙いを定めて就職活動をしていたのか」など、学生からは矢継ぎ早に質問が飛んだ。年齢の近い若手社員が対応したこともあり、終始なごやかなムードであった。

このセミナーに参加した学生に感想を聞いたところ、「中小企業は一人でこなす仕事の幅も広く、想定外のことも多そう。でもその分得られるやりがいはとても大きそうだ」と中小企業の魅力に気づけたと語っていた。「このような場がなければ知らなかったであろう企業から直接話を聞くことができ、視野が広がった気がする。今後も知らない企業や中小企業であっても積極的に話を聞くようにしたい」という声もあった。また第2部の交流会でエクス・アドメディアのグループには中村社長も加わったが、同社の若手社員に対し「○○さんはこうだよね」と話を振る場面が何度もあった。こうした社長の目が社員一人一人に行き届いていることを感じてか、「中小企業は家族のようだと感じた。大手企業と比較しても見劣りしない魅力があった」と語ってくれた学生もいた。単に「中小企業」というだけでは、どちらかと言えば負のイメージが先行し、興味を持てない学生も多いだろう。ただ、このように「現場社員がどのような思いを持って働いているのか」に直接触れられる機会さえあれば、学生は中小企業に十分に興味を持つと言える。

さらに獨協大学キャリアセンターの森田博美係長は「学生や一般の人が知らないような商品やサービスを扱っている企業であっても、それがどう世の中の役に立っているかを伝えることで学生の目にも魅力的に映るはず。そのような情報を積極的に提示していただきたい」と語った。世の中の役に立つものを提供し、またそれを提供する社員が生き生きと働いている。そうした姿を学生に見せていくことが、中小企業が2016年卒採用を勝ち抜くポイントと言えそうだ。

輝くシゴト発見セミナーin獨協大学 参加企業ご紹介

株式会社エクス・アドメディア

総務部・営業部 取締役 五十嵐 政輝 氏

事業内容

展示会やイベントというビジネスコミュニケーション空間、舞台や展覧会などの美術空間、ショーウィンドウなどのディスプレイデザイン空間など、当社では空間を創る仕事をしております。宣伝や芸術活動などが、WEBにより質感がバーチャルなものになっていくなかで、当社では人を惹き付けるものはリアルな質感であり、色であり、空間であると考えています。それと同じ様に、実際に見て、相手の熱を感じ、実際の音を聞く事のできる空間こそが、最上のビジネスコミュニケーションであり、美術空間であり、ディスプレイデザインであるとも思っております。そんな最上の空間を提供し続け、その為のプロであり続けたいと考え、全ての基礎となりアイディア、デザインを形にする木工製作部門、お客さまに最上の空間を提供し続ける為にデザイン部門、営業部門と強化育成を進めており、さらにテント事業部や内装業にも着手しております。

新卒採用で意識していること、心掛けていること

ものづくりの会社として、仕事を好きになってもらえるように心がけています。また、新卒社員にとってもこの会社が社会人としての親となると考え教育担当の先輩につけて全てを見て感じて覚えてもらえるような仕組みづくりを進めております。

大学就職指導担当者様および学生に向けたメッセージ

当社は去年より戦略的に新卒採用を進めており、他社のように教育体制が整っているわけではありません。しかしながら、この新卒採用をきっかけに社内体制、人事制度の全面的見直しを進めており当社の経営理念を理解し愛社精神をもち、装飾業全般のレベルアップにつながる人材を育てたいと思っております。装飾業は時間的な拘束や不規則さが大変に激しく一般の華やかなイメージとは逆の裏方仕事です。好きでないと勤まらないと思っています。興味が有る方は体験入社なども受け付けておりますのでご気軽にお問い合わせください。

新明電材株式会社

人事課 清水 有里香 氏

事業内容

取り扱うのは、生活に欠かせない電設資材(=電気が通るもの!=生活に必要な商品!)およそ100万点。これだけ多くの商品を扱っているので、好不調の波に流されにくく「不景気に強い」ことも特徴です。メーカー様と当社顧客(主に電気工事業者様)との間に立ち、Win-Winのお手伝いをしており、おかげさまで創業から55年を迎えました。現在、首都圏を中心に約70箇所の営業所を持ち、特に埼玉・群馬に強みを持っております。今後は更なる飛躍を目指し、東京・神奈川・千葉を中心に積極展開いたします。

新卒採用で意識していること、心掛けていること

「B to B」の企業であり、学生への知名度は低いですが、当社の商材が照明、配線器具、空調機器、コンセント等の身近なところに使われていることを知ってもらえるよう様々な取り組みを行っています。例えばイベントに参加した際に、コンセントや電線を持っていき実際に手に取ってもらっています。また、当社は新卒採用向けのFacebookページを開設し、新入社員インタビューや社内イベントをご紹介しています。

大学就職指導担当者様および学生に向けたメッセージ

私は新卒入社2年目ですが、就職活動をしているときは、まさか人事として学生の皆さんとかかわるとはまったく想像していませんでした。しかし今では生き生きと働いています。大切なことは、どういった会社に入るかではなく、「入った会社で自分がどのように働いていくか」ということ。目の前の会社概要にとらわれずに、長い目で自分とマッチする会社を選んでいってほしいです。

株式会社大東

本社 執行役員次長 谷口 由紀恵 氏

事業内容

弊社は、帳票印刷専門業としてスタートして以来47年、お客様のご愛顧のもと情報社会の発展とともに成長し、あらゆる業種のお客様の情報処理業務に携わって参りました。弊社工場設備もデジタル化が進み、市場に対応して参りました。
同時に新商品販売の事業部(イベントのご提案・オフィスファニチャー・アロマ等)も設立し、事業展開しております。今後も弊社は、オフィスのトータルサポートをご提案し、お客様に必要な情報・サービスをご提供して参ります。

新卒採用で意識していること、心掛けていること

弊社では一次面接後、一日仕事体験を行っています。営業職は同行営業体験、事務職は実際に受発注体験等、仕事のスタイルを理解していただき両者納得の上、入社となります。実際にこの一日体験を通して入社を決めた社員もいます。これにより、入社後も先輩と良いコミュニケーションが出来ています。

大学就職指導担当者様および学生に向けたメッセージ

最近では企業概要よりも職種で選択される学生の方が多くみられます。営業職は敬遠され、事務職ばかりに目を向けられますが、入社後は男女問わず多くの配属先があります。まずはインターンシップ等に参加したり、企業研究をしたりと色々な経験を通して視野を広げ、スキルアップしていってほしいと思います。

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