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学情レポート【COMPASS】2014.11

企業・大学アンケート結果に見る
2015年卒採用状況と2016年卒採用の展望

東京・大阪・名古屋の3都市で開催された弊社主催「就職講演会・名刺交換会」には、多くの企業採用担当者ならびに大学就職指導担当者が来場した。各地区の来場者を対象に、採用活動状況や就職指導状況に関するアンケート調査を実施。今号ではその調査結果を元に、2015年卒採用の振り返りと2016年卒採用の展望についてレポートする。
※以下レポート内のグラフのうち従業員数で比較している箇所について、経済産業省中小企業庁『中小企業者の定義』(例:製造業その他においては、従業員数300人以下の会社および個人を中小企業者とみなす、など)を考慮し、①1~299人、②300人以上で分類している。

【調査概要】
調査対象:
全国の企業採用担当者1,259名、
及び大学就職指導担当者329名
調査方法:
就職講演会・名刺交換会来場者へのアンケート配布・回収
調査期間:
東 京/2014年8月29日~9月3日
大 阪/2014年8月25日~8月29日
名古屋/2014年9月9日~9月12日

1.企業アンケート結果

2015年卒採用を振り返って(2014年卒採用との比較)

母集団形成は?

2016年卒以降のスケジュール後ろ倒しについて グラフ

参考:前年度調査結果
2014年卒採用の母集団形成は?

参考:【2016年卒以降のスケジュール後ろ倒しについて(2013年6月調査時)】 グラフ

選考中の辞退者数は?

参考:前年度調査結果
2014年卒採用の選考中の辞退者数は?

内々定辞退者数は?

参考:前年度調査結果
2014年卒採用の内々定辞退者数は?

文理別採用状況は?

参考:前年度調査結果
2014年卒採用の文理別採用状況は?

現在の採用活動状況は?

従業員数による比較

<従業員数 : 1~299人>

<従業員数 : 300人以上>

 
 

景気回復とともに、「各社の求人意欲はもはやITバブル期を超えた状況」と評する大学関係者もいるほど、2015年卒学生への採用熱は高かった。それが結果として苦戦を強いられる企業の増加に繋がったことが今回のアンケート結果からも明らかになった。まず、母集団形成については「前年を下回った」(37.3%)が「前年並」(35.1%)を2.2ポイント上回り最多。2014年卒採用においても学生優位の環境への移行が見えつつあったが、前年度の同調査結果では「前年を下回った」が「前年並」を12.7ポイント下回っていた。それが2015年卒採用においては逆転しており、学生を集めるという採用の初期段階から苦労する企業が目立った。さらに選考中の辞退者数についても「前年を上回った」(35.2%)が前年度調査比9.2ポイント増、内々定辞退者数も同様に「前年を上回った」(34.2%)が同5.2ポイント増と、選考過程や内々定出し後についても苦労を重ねることとなった。「文理別採用状況」についても、「文理とも苦戦」(39.0%)が前年度調査を10.2ポイント上回り、「文系のみ苦戦」「理系のみ苦戦」のポイントが下がったことから、学生の属性に関係なく苦戦した企業が増加したことがうかがえる。現在の採用活動状況については「継続中」が56.5%に達し、過半数の企業が終息までにまだ時間を要する見込みだ。従業員数別で見ると、従業員数1~299人の企業は「継続中」が62.5%、300人以上では同53.6%と8.9ポイントの差があるものの、前年度調査ではこの差が13.4ポイントであり、企業規模による差は縮み、大手だから無事終了に漕ぎ着けたとは必ずしも言えない状況である。

内々定者への対応について

内々定者に対して「承諾書」を提出させているか?

「期限を設けて提出させている」企業が何週間以内に提出させているか?

内々定者フォローとしてどのような取り組みをしているか?

今年は学生の重複内々定も多く、内々定辞退者数は3社に1社が前年を上回っている状況である。内々定辞退を少しでも防ごうと各社が実施しているものの1つに「内々定承諾書の提出」が挙げられる。内々定承諾書を「期限を設けて提出させている」企業は73.2%に上り、期限を設けず提出させている企業と合わせれば実に9割の企業が提出させている状況だ。承諾書を提出した学生が必ずしも入社に至るわけではないが、放っておいたら別の会社に採られてしまう、そうした危機感から実施していることがうかがえる。期限を設けて提出させている企業については「1~2週間以内」が49.3%と最も多く、次いで「1週間以内」が20.9%と、短期間で提出させているケースが多い。
また辞退防止目的だけでなく、入社後スムーズに業務に移行したり、会社に馴染めるよう様々な内々定者フォローが実施されている。実施内容として最も多いものは「定期的な懇親会」(68.3%)であり、「メールや社内報等の送付」(45.4%)がそれに続く。そこまで手の掛からないものが上位に挙がった。「SNSを用いた内々定者交流促進」(19.8%)、「Webや教材を用いたビジネス知識向上や資格取得支援」(19.4%)などシステム利用や大掛かりな準備・費用が必要なものは、第2位から差が開き20%未満ではあるが、5社に1社が実施していると考えれば少なくはない数であろう。ある程度予算を使ってでも入社まで結び付けたいという各社の思いが読み取れる。

2016年卒採用の展望

2016年卒の採用予定数は?(前年度比)

2016年卒の採用予算は?(前年度比)

※グラフ数値上段が採用予算の前年度比

2016年卒採用の終了予想時期は?

従業員数による比較

<従業員数 : 1~299人>

<従業員数 : 300人以上>

2016年卒採用については、2015年卒採用以上に各社の採用熱が高まりそうだ。2016年卒の採用予定数の現時点の見通し(前年度比)については、「並」が63.0%で過半数を占めるものの、「増やす」(20.8%)が「減らす」(3.1%)を17.7ポイント上回り、さらなる採用数増を考えている企業が多い。採用予算についても「増やす(「101~119%」「120%以上」の合計)」が28.0%、「減らす(「80~99%」「51~79%」「50%以下」の合計)」が7.1%と、「増やす」が20.9ポイント上回り、より多くの予算を掛けて採用に臨む算段だ。もちろん今後の経済環境の変動、それに伴う企業業績の好不調により、この展望通りに進むとは限らないが、現状を見る限りでは2016年卒採用は短期決戦となることもあり、採用市況の更なる激化が予想される。
また2016年卒採用の終了予想時期を各社に聞いたところ、一定の時期への偏りはなかったが、「2015年12月」(21.6%)が最多となった。8月より選考活動が本格的にスタートし、順次内々定出しが行われると予想されるが、各社が優秀な学生を採り合うことで簡単には終息に向かわず、12月頃になるのではと予想したものと見られる。できれば年内のうちに終わらせ、年明けからは2017年卒採用計画に臨みたいという願望もあるだろう。また大手企業からは「内定式はこれまで通り10月1日に行いたい」という話も聞かれる。従業員数別で見た場合にも、従業員数300人以上の企業は10月以前(「2015年7月以前」「8月」「9月」の合計)が30.0%であり、従業員数1~299人の企業の同23.5%よりも6.5ポイント高く、規模の大きい企業ほど早く終わらせたい、または早く終わらせられるだろうと考えているようだ。

2.大学アンケート結果

2015年卒学生の状況について

2015年卒学生の内々定状況は?(前年度比)

会社説明会の開始時期 グラフ

参考:前年度調査結果
2014年卒学生の内々定状況は?(前年度比) 

2015年卒学生対象の学内合同企業セミナーの今後の予定は?

選考開始時期 グラフ

参考:前年度調査結果
2014年卒学生対象の学内合同企業セミナーの今後の予定は?

2015年卒学生の就職相談件数については?(前年度比)

内々定出しの開始時期 グラフ

2015年卒学生の内々定状況は、前年度と比べ「非常に良い~少し良い」が80.9%と大半を占めており、前年度の同調査結果の59.0%を大きく上回った。この結果は企業の採用意欲の高さを顕著に表しており、まさに学生優位の売手市場化が一気に進んだと言えるだろう。ただし、内々定率は「前年同時期と比べ数ポイントの増加」という大学がほとんどである。これは、一人あたりの内々定獲得社数は増えているものの、未内々定者の割合が前年と比べて大幅に減少したというわけではないことを示している。そのため、未内定者向けの学内合同企業セミナーを「今後実施する」または「検討中」の大学が53.6%と過半数を占めており、前年の同調査結果の54.6%とほとんど変わりはない。学生優位の環境と言えども、思い通りの結果を得られない学生もおり、各大学では引き続き2015年卒学生への就職支援に尽力していくようだ。
また、前年度と比べた就職相談件数は「非常に増えた~少し増えた」が32.4%と「少し減った~減った」の12.6%を19.8ポイント上回り、キャリアセンターの活用率も増加している。もっとも相談内容としては「複数内々定を獲得したが、どのように絞ればいいか」「内々定辞退の仕方を教えてほしい」といった内々定獲得後の相談が増えたという声が多く、例年とは違う傾向が見られた。

2016年卒学生の就職指導状況について

2016年卒学生向けの“前期”就職ガイダンスの 参加学生数は?(前年度比)

2016年卒学生より就職活動スタート時期が変わるものの、2016年卒学生を対象とした就職ガイダンスは、多くの大学で「就職活動の流れ」や「自己分析」、「インターンシップについて」などの内容で、例年同様4~5月から開始されていった。この前期就職ガイダンスの参加学生数は、前年度と比べ「並」が41.7%と最も多く、「増えた」「少し増えた」(計25.0%)と「減った」「少し減った」(計26.6%)を比べても大きな差はなく、大学により状況は異なるものの、平均的に見ると増減どちらかに偏るということはなかった。学生の参加が少なかった大学は、「一つ上の先輩から『就職活動は思ったよりも楽だった』という話を聞いたことや、就職活動スタート時期が先送りになったことで、『まだ何もしなくても大丈夫だろう』と考える学生が増えたのでは」と分析している。また参加が多かった大学についても、「3月までの間に学生の高まった意識をいかに途切れさせないようにするかが今後の課題」という声が多く、後期ガイダンスについても念入りなプログラム策定がされている。

※レポート内の各項目は小数点第一位を有効桁数として表記しているため、択一式の回答の合計が100.0%にならない場合があります。

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