企業の動向

2022年卒採用に臨む企業の全体的な傾向として、一部の業界を除けばリーマンショック時ほど採用数を抑制する動きは見られない。弊社による内々定率調査によると、2月末時点での内々定率は19.6%。前年同時期を4.0ポイント上回っている。2度目の緊急事態宣言下でも選考は順調に進捗していることがわかる。理系学生に絞ると同11.3ポイント上回る31.1%と、ハイペースで内々定出しが進む。ある大手メーカーの担当者は「現時点で昨年よりも多くの母集団を集められているが、同業他社からも同様に応募者増の声を聞く。今後は辞退者の発生をいかに防ぐかが課題」と話す。もっとも企業から耳にするのは、応募者増を手放しに喜ぶ声ばかりではない。あらゆる製品・サービスのデジタルシフトが加速する中、各社が熱視線を送るのが情報系学部の学生だ。IT関連企業だけでなく、メーカーからも「情報系学生を何としても採用したい」という声を頻繁に聞くようになった。こうした特定ターゲットへのアプローチも各社の課題となっている。加えて、採用活動のデジタル化も並行して行われている。前年度はインターンシップ参加者限定の職場・工場見学や座談会などを企画する企業も目立ったが、今年はそうした取り組みは難しい。そこで各社が注力しているのが動画制作だ。社内や工場内の様子を撮影し、職場の雰囲気を少しでも感じてもらえるよう努めている。弊社の動画企画『JobTube』に対する相談や申込みも増えており、これまで対面で行えていたことをいかにオンラインで補えるかも各社の課題と言える。(今泉 佑太)


学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

各大学によると、2021年卒学生の内々定率は例年と比べ数ポイント下回っているという状況だ。この時期に企業から寄せられる求人も減少気味で、弊社に対しても複数の大学から「採用継続中の企業を紹介してほしい」という要望が寄せられている。そうした情報も提供しながら、弊社では引き続き就活支援を行っていく。

2022年卒学生については、後期試験期間が過ぎた2月上旬頃から一部の大学において、企業を招いた合同業界研究イベントが始まっている。例年であれば対面型を基本としているが、今年度はコロナ禍の影響もあり、9割ほどがオンラインで開催している印象だ。参加のしやすさなど、オンラインならではのメリットも期待されるが、既に開催した大学からは「学生の参加状況は芳しくない」という声が聞かれる。大学によって幅はあるが、昨年比1~2割減という状況だ。学生の動きの把握しづらさも相まって、学生の準備不足を危惧する大学が多い。主要就職情報サイトでは2月中旬頃からエントリー予約ができ、少しでも学生に動いてもらおうと「2月中に○社エントリー予約しておくように」と数値目標を設定して指導する大学もある。一方、2月5日に東京で、2月11日に名古屋で開催された対面形式の弊社主催業界研究イベント「就職博 就活準備編」には、1月開催時と比べ東京は2倍以上、名古屋でも1.4倍の学生が来場した。学生に話を聞くと、「最近活動を始めた」「何をしたらいいか分からず、とりあえず参加した」など、3月を目前にようやく動き出す学生が多く見受けられた。一方、来場学生へのアンケートでは、2割以上がインターンシップ参加企業の早期選考を受験済みと回答。進捗度合いは学生により様々だ。(巽 浩一)